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2024.3.27. ロイズと海上保険の歴史

マスターキートン」は、浦沢直樹勝鹿北星によって作られた日本の漫画で、アニメ化もされています。主人公の平賀・タイチ・キートンは、考古学者、元SAS(英国特殊空挺部隊)の隊員、および保険調査員という異色の経歴を持つキャラクターです。キートンはロイズの保険会社である「ロイズ・オブ・ロンドン」のために働き、様々な保険関連の調査を行います。これには、事故の原因を調査したり、詐欺を暴いたり、保険金の支払いに関する決定を下したりすることが含まれます。

物語の中で、ロイズはキートンの冒険の背景として重要な役割を果たします。彼の仕事は、世界中を旅するきっかけとなり、考古学的発見や人命救助など、さまざまなユニークなシナリオに巻き込まれることになります。マスターキートンの物語は、ロイズが実際に持っている国際的な保険市場としてのイメージと連携しており、物語にリアリティと興味を加えています。

ロイズ(Lloyd's of London)は、イギリスのロンドンに本拠を置く、世界最古の保険市場の一つです。その歴史は1686年にさかのぼり、エドワード・ロイドがロンドンのリーデンホール・ストリートにあったコーヒーハウスを開業したことに始まります。このコーヒーハウスは、商人、船主、船舶の保険を扱う仲介業者などが集まる場となり、やがて海運業界と密接に関わる保険市場として発展しました。

ロイズの歴史は、海難事故と深い関わりがあります。当初、ロイズの保険業務の大部分は海上輸送に関連するものでした。船舶や貨物を海上でのリスクから守るための保険が主な商品でした。18世紀には、ロイズの保険業者(アンダーライター)は、船舶や貨物が遭遇する可能性のあるさまざまなリスクをカバーする保険を提供するようになりました。これには、海賊行為、戦争、火災、自然災害などが含まれていました。

ロイズは、海難事故の発生時に迅速に対応し、保険金の支払いを行うことで信頼性を築きました。また、ロイズの保険業者は、リスクを評価し、適切な保険料を設定するために、船舶の状態や航海の安全性に関する情報を収集するようになりました。これは、後に「ロイズ・レジスター」として知られるようになる、船舶の分類および登録の基礎となりました。

19世紀に入ると、ロイズは海上保険だけでなく、火災保険や生命保険など他の種類の保険にも事業を拡大しました。しかし、その根幹は依然として海上輸送と海難事故に関連する保険にありました。

今日のロイズは、海上保険だけでなく、航空、エネルギー、財産、責任など、幅広い保険商品を取り扱う国際的な保険市場となっています。しかし、その起源は、ロイズが海難事故に関連するリスクをカバーする保険市場として発展した歴史にあります。